キャッシュレス時代の「見えないお金」のつきあいかた
キャッシュレスという言葉を最近聞く機会が増えてきました。キャッシュレス決済とは、そもそも「現金」を使わずにお金を払う方法です。キャッシュレス決済増えることによって、子供たちの生活にも影響が出ています。子供にお金の価値をどのように伝えるか、キャッシュレス時代の子育ての質問にお答えします。
電子マネーは何歳から持たせる?
Q1 電子マネーは、何歳から持たせますか?初めて持たせる時にどんなことを伝えたらいいですか?(小学2年生の親)
A1 電子マネーの5つのルールを決めましょう。
電子マネーをお子様に持たせる年齢は、お住まいの地域によっても変わってきます。都市部など公共交通を中心とした交通網が発達している地域は、SuicaやPASMOなどの電子マネーを使う機会が多くなります。
また、小学校の課外授業などで学校から電子マネーの利用を指定される場合もあります。そのような環境の場合は小学校1年生から持たせ、まずは親と一緒に電車やバスなどで使用することから始めて訓練していきましょう。
逆に電子マネーの利用頻度が低い地域は、ご家庭の方針とお子様のお金の使い方をみながら、子供の単独行動の範囲が広がる小学3年生頃までに電子マネーを持たせ、使う訓練をしていくと良いでしょう。
初めて電子マネーを持たせるときは、Suica、PASMOなどにチャージするお金も「現金」と同じであるという当たり前のことを子供にきちんと伝えましょう。親は当たり前と思っていることも、子供は案外わかっていません。
その上で、何にいくら必要なのかを話し合い、親子でルールを決めてください。
例えば、電子マネーを使っていいのは電車やバスなどの交通費と、習い事の帰りに買うおやつ代だけ、などのルールとそれに必要な予算を明確に決めると子供にも理解しやすいです。
電子マネーを子供が持つときには「5つのルール」がありますので、ご参考にしてください。
【電子マネーを子供がもつときの5つのルール】
- 電子マネーを使う目的をはっきりする。
(交通費のため、〇〇点で買うときのため) - 履歴を確認する
- 残高を知る
- オートチャージにしない
- 電子マネーのお金の出所を伝える
(=お父さん・お母さんが働いて手にいれている)
履歴の確認は、1ヶ月に1度など定期的に親子で確認すると良いでしょう。予算の組み直しや改善点、子供からの新しい提案など話し合う良い機会になります。
ゲーム課金はどこまで認めればよい?
Q2 親の知らないところで、子どもがゲーム課金をしていました。課金について今後どう付き合っていくか、どのように子どもに伝えたらいいですか?(小学5年生の親)
A2 「課金」という言葉の意味から伝えていく根気が大切です。
最近のゲーム機はインターネットに繋げられ、スマートフォンなどに入れたゲームアプリで子供も気づかない内に課金して高額請求がきた、というトラブルが起きています。
子供にまずは、「課金とは何か」というところから話してみてはどうでしょうか。
課金そのものは「お金を払う」ことなので悪いことではありません。ゲーム課金すべてが悪いのではなく、なぜ子どもが勝手にしてはいけないのか?について親子で話し合う機会にしましょう。
課金で使用するお金は、現金と同じ価値があります。とはいえ、小学校低学年の子どもには「価値」という言葉の意味も分からないことがあります。
子供と一緒に、辞書を引きながら、「価値」とは役に立つ、値打ちがあるものと伝えましょう。現金は、役に立つ大切なもの。課金は、その現金を使う行動なため、慎重にすべきなのです。
そして、課金したお金の出所が、お父さんお母さんが働いて得たお金の場合、子どもが勝手に課金することは親のお金を勝手に使うことになります。子供に、それってしていいことなのかな?と質問を投げかけて考えさせてみましょう。そして、おこづかいの一部の○○円までならOKなど、丁寧にルールづくりをしていきましょう。
クレジットカードで子供が勝手に買い物!どうする?
Q3 親のクレジットカードを勝手に使って、子どもがスマートフォンで買い物をしていました。どうしたらいいですか?
A3 インターネットでの支払いも、現金の支払いも同じようにお金がかかることを伝えましょう。
子どもがスマートフォン(以降スマホと記載)で勝手に買い物をした場合、どういった経緯でそれが起きたのか、子どもの心情と併せて確認しましょう。
欲しいものがある。その気持ちは肯定しつつ、欲しいものはすべて手に入れてられるわけではないこと、そして、親とはいえ、他人のクレジットカードを使用することはよくないこと、自分の行動によってお金の支払い義務が発生している事実を説明しましょう。
次に同じようなことが起きないように、防止策を考えましょう。
スマホ、タブレット、パソコンで可能な機能を確認し、注意する操作や付き合い方について決めます。
- インターネットで支払い可能なことを伝える
スマホ等でできる機能として、電話をする、ゲームで遊ぶ、動画を見るだけではなく、買い物やアイテムを手に入れるのにお金を支払う機能があることを伝えてください。
もし、インターネット上で買い物をしたら、支払いをする必要があります。そのお金は、親が働いた大切なお金から払うことを繰り返し話していく必要があります。 - 今後の家族ルールを決める
今後のルールとして、支払い義務が発生する決済の「ボタンを押さない」「カード番号は勝手に入力しない」「個人情報は入力しない」「分からなことがあったら親に相談する」といったことを決めていきます。
子供には、下記のように、具体的に操作しながら教えていくとよいでしょう。親: 「スマホを見ている時に、こんなボタン(決済ボタン)が出てきたら〇〇ちゃんどうする?」 子: 「んー、よくわからないけど、押しちゃうと思う」 親: 「実はね、このボタンを押すとあとでお金を払わなきゃいけなくなるの」 子: 「そうなの?ボタン押すだけなのに、お金を払うの?」 親: 「そうなの。このボタンは、例えば洋服やアイテムを買うからお金を払います、というボタンなの。だから、こういうボタンが画面に出てきたらお父さんお母さんに聞かないまま押さないで欲しいな。もし迷う時は、お父さん・お母さんに聞いてからにしてくれるかな?」 - 親が環境を整える。
子供に説明するだけでなく、親の方でもそもそも子供が勝手に決済できない仕組みを作っておくことも大事です。
まず、子供に端末を渡す時は、必ずサイトからログアウトした状態に戻してから渡しましょう。また、子供用のアカウントを作成して、親のアカウントは安易に利用できないようにパスワードロックをかけるとなお良いでしょう。
端末自体にフィルタリング(アプリも)や機能制限をしたり、クレジットカードを子供が勝手に利用できる状況におかないようにしたり、親が整えられる環境も多数あります。